【RECORD STORE DAY特集】台湾現地のレコードショップ4店がおすすめの台湾ミュージシャンの名盤!

Jun-12-2021

2021年6月12日は、レコードストアの文化を祝い、小売店舗を活性化させて、フィジカルメディアを手にする喜び及び音楽の楽しさを再確認する「レコード・ストア・デイ(RSD、唱片行日)」。

2008年4月19日に第1回が開催されて以来、毎年4月の第3土曜日に開催されており、世界23カ国で数千を数えるレコードショップが参加を表明している祭典の一つとなっている。数多くのアーティストの貴重なRSD限定盤のアナログレコードやグッズのリリースを行っているほか、世界各地で様々なイベントが開催され盛り上がりを見せてい。14年目となる2021年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、6月12日(土)・7月17日(土)に「RSD Drops」として開催される。

今年の「レコード・ストア・デイ」に際してTaiwan Beats JPでは、台湾にある幾つかのレコードストアにご協力いただき、店長のお薦め商品を紹介。中にはなかなか日本のレコードストアでは購入できない作品もあるものの、いつかコロナ禍が明けた暁にはぜひ実際に台湾に訪れ、ここに挙げられていない作品含め、ぜひ自分の琴線に触れる作品をdigってみてほしい。また、新旧隔てなく紹介してくれた各店舗にここで改めて感謝の意を表明する。

1.「元氣唱片行」

公式Facebookページ:https://www.facebook.com/genkicdshop

公式Instagram:https://www.instagram.com/genkishop.musicstopover/

・店舗からの紹介

「元氣唱片行」は2000年から台中に開業したインディーズストア。スマートフォンで音楽を聴くこの時代でも、店にいらしゃるお客様にミュージシャンが心を込めた作品を紹介、シェアすることはレコードショップとリスナーとの間で最も温度感のあるつながりであると思っております。

・店舗のお薦め作品

溫蒂漫步(Wendy Wander)『Spring Spring』

理由:

この作品に癒されます。プロのスタジオでのレコーディング作品ではなかったものの、飾らない粒だった音が魅力的です。一般的なアレンジとは異なる、リード曲「我想和你一起」の2分間の前奏は我々の新しい世代のロマンチックがどんなものであるのかを垣間見ることができます。

餵飽豬『大悲懺』

理由:

『大悲懺』の収録曲は、人生の中での価値のあることや経験を象徴した作品なのです。好きなことは毎日やっても疲れないのと同じで、このアルバムを勧める理由は、いくら聴いても飽きず、単純に好きだからです。

吳獻 Osean『Sundial』

理由:

周りの若い友人達は、吳獻を好きな理由に落ち着いたウィスパーボイスを挙げることが多いですが、私は彼が音楽レッスンを受けたことがないのに、この若い年齢とは思えない音楽表現が好きです。友人らに「我們只在地球住幾晚(地球に何泊か泊まるだけ)という曲のタイトルはどういう意味?」と訊かれたことがありますが、私は「深く考えず、曲を流せば答えが出てくるよ」と答えています。


2.「小白兔唱片」

公式ホームページ:http://www.wwr.com.tw

公式Instagram:https://www.instagram.com/whitewabbitrecords/

・店舗からの紹介

「小白兔唱片」は2002年に開業し、インディーズ音楽レーベルも兼業するレコードショップ。台湾で最も代表的なインディー音楽の発信地で、国内外のアーティストの音楽イベントもたくさん主催しています。

・店舗のお薦め作品

拍謝少年『歹勢好勢』

理由:

代表的な台湾音楽の味わいを感じさせる、2021年必聴の絶対に見逃せないロックアルバムです。

PUZZLEMAN『睏前愛用 PUZZLEMAN』

理由:

台湾のフィンガードラムの代表人物・PUZZLEMANが、HIPHOPレーベル「顏社」の傘下に入ってから出した作品。初めて聴いたときに、PUZZLEMANが昔台中にあったパンク・ロックバンド及びファンの界隈"廢人幫"出身のバンド「複製人」のボーカルと知った時はびっくりしました。

Ilid Kaolo 以莉 高露『尋找你』

理由:

阿美族(台湾原住民の一族)女性ソロ歌手・Ilid Kaoloの作品はいつも小白兔唱片の人気商品。今年出した最新アルバムは、デザインから曲まで相変わらずクオリティが高い! 2021年最も癒される作品なら『尋找你』をおすすめします。


3.「奮死唱片行」

公式Facebookページ:https://www.facebook.com/GroupiesRecords/

・店舗からの紹介

2015年2月7日開業。主にインディーズ音楽作品を取り扱い、洋楽や台湾をはじめとする東アジア各国、タイのCD、レコード、カセットテープなど、幅広く取り扱ってあります。中古レコードコーナーも設置! この時代こそレコード屋巡りの楽しさを再発掘しましょう! Records,I Will Always Follow You!

・店舗のお薦め作品

風籟坊『Demo丙』

理由:

ロマンチックなチル音楽が流行っているこの時代、風籟坊の昔のインディーロックを感じる曲を聴けてしあわせです!

The Fur.『Serene Reminder』

理由:

最近の台湾バンドは洋楽のインディー音楽からたくさん吸収し、自分なりの音楽に転換していますが、今作はその中でも一番その成果が表れている1枚だと思います。

鹿比 ∞ 吠陀(Ruby Fatale) 『彼岸』

理由:

鹿比吠陀の音楽にはエクスペリメンタルの要素がありますが、今はより分かりやすく大衆向けの方向に進んでいて、台湾の実験電子音楽のジャンルでも要注目の一人です。


4.「M@M RECORDS 四樓唱片行」

公式ホームページ:https://www.mmrecords.com.tw

公式Instagram:https://www.instagram.com/mmrecords_taipei/

・店舗からの紹介

賑やかな台北市の東區エリアの路地の一角に隠れ、DJ・音楽評論家であるDJ Mykal a.k.a.林哲儀が主導する「M@M RECORDS」四樓唱片行。彼の独特な音楽センスと海外から随時輸入している音楽のコレクションに評判が集まっております。1999年の開業以来、レコードとCDはダンス系/電子音楽(ドラムンべース /ブレイク /ハウス /エレクトロ /テクノ /ダブステップ /ベースなどジャンルを揃えております)以外、欧米ロック、日本のヒップホップ/電子音楽/ロック、台湾インディーズ音楽なども取り扱い、台湾の音楽愛好家の聖地となっています。店内には数量限定の衣服とアクセサリーも販売しており、「音楽+トレンド」の二つの要素に沿って、オリジナリティ溢れるレコードショップを経営されてるんだそうです。

M@Mは当初「Mykal & Music」の略でしたが、今では「Memory & Moment」の意味も含まれており、「Moment」はニューリリースの意味で、「Memory」は経営者のMykalの好みである90年代を指しています。そのため、店内では各ジャンルの90年代音楽コーナーも設置しています。

・店舗のお薦め作品

OVDS『黑的韌性』

理由:

『黑的韌性』はOVDSが6年間の時間をかけて、自らを模索し、再構築した集大成の作品。本作では、ハーフステップからドラムンベース、さらにミッドテンポを加え、様々なベース・ミュージック技法を通して真っ暗な電子音楽空間を構築、映画のサウンドトラックの雰囲気が溢れる作品。最も他と異なるのは、過去の猛獣のような煽動的なエネルギーを醸造、展開した強大な感情を内に秘めている点です。

拍謝少年『歹勢好勢』

理由:

柯仁堅、陳惠婷、余佩真、三牲獻藝らと共作した曲にせよ、歌詞の文学性にせよ、ニューヨークのスタジオエンジニア・Greg Calbiのマスタリングの下、本作の中に眠る2000年代のポストパンクのリバイバルやダンス・パンクの魅力を更に引き出しました。拍謝少年が持つ台湾語ロックの姿勢は、まさに『歹勢好勢』の中でより成熟し、多元的な様相を醸し出しているのです。

Ruby Fatale 鹿比 ∞ 吠陀 『彼岸』

理由:

Ruby Fataleは、フィンランドのパン・ソニックやドイツのテクノユニットOvalのような静的な美学へと路線を変えて、柔らかなメロディーラインは、痕跡も残さないほどに優しく触れ、聴いた人の心を引っ張る、ミニマルでありながらも人々を陶酔させるサウンドに仕上がっています。深夜にミニマルな電子音楽の美学を嗜むことができ、ネオクラシックの雰囲気と俗世離れした禅味を楽しめるのが、この美しく感動的なエレクトロニック・アヴァン・ポップ・アルバムなのです。


RECORD STORE DAY:https://recordstoreday.jp