「蓄音臺灣」が、台湾大衆音楽揺籃期の貴重SP音源を世界で初めてCD化

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1895年から1945年まで、台湾は日本の統治下にありました。そこでは、日本のレコード会社の支社が設立され、また、地元のレコード会社も多く生まれて、多くの素晴らしい台湾語の音楽が生み出されていきました。エジソンが蓄音機を発明しベルリナーが平らなレコードを作り、世界中の人びとが機械をとおして様々な音楽を聴けるようになりましたが、当時の台湾はまさにそんなポピュラー音楽の揺籃期にありました。

本アルバムは、そんな日本統治時代の台湾を代表する曲が集められています。また、当時の日本人がとても興味を持って録音したという先住民(台湾では「原住民」と表記します)の音楽も入っています。当時の国語=日本語を学習するための語学教材も聞けます。当時の流行歌の「望春風」は、今も台湾で知らない人はいないほどの有名曲で、この曲を歌ったのが、この時代を代表する歌姫だった純純です。ちなみに、本アルバムに収録された貴重な音源の多くが、歌手たちがわざわざ海を渡って日本で録音され、さらに日本でプレスされ、出来たレコードを台湾に送って、売られていました。また、本作の多くの曲は、音楽的にいえば、台湾的な要素を備えていますが、そこに日本と西洋音楽の要素が加わり、素晴らしい融合音楽を生み出していることも特筆すべきことかと思います。それが台湾におけるポピュラー音楽のルーツになりました。

今回、選曲・音源提供・詳しいデータを提供してくれたのは台湾の音楽学者・林太崴(リン・タイウェイ)さんです。彼の莫大なSPレコードのコレクションから曲目が選ばれました。ちなみに林さんは、台湾初のポップス歌謡を是非聴いて頂きたいということで、「烏貓行進曲」だけはお知り合いからわざわざ借りてくださいました。日本統治時代、台湾人と日本人の共同作業の中で、数々の素晴らしい音楽を生み出し、リリースしていたことを、ぜひとも日本の皆さんに知ってもらいたいという想いが林さんにはありました。そして、その林さんと親交があり、この時代の音楽に興味を持っている音楽評論家の関谷元子さんが、このCDを作りました。80年前の台湾の音楽、そしてそれをパフォーマンスする素晴らしいアーティストたちの歌声をご堪能ください。詳しい解説・データと、貴重な写真満載の40数ページ・ブックレット+選びに選んだ台湾の23曲です。

1.清香、碧雲「陳三寫詩」(陳三の詩)
2.高砂族の合唱「日月潭の杵唄」
3.高砂族の合奏「日月潭の杵音」
4.名北則武「南國節」
5.水野春次「台灣語對譯」(台湾語の学習)
6.小紅緞「天女散花」(天女の花が散る)
7.秋蟾「烏貓行進曲」(トレンディ・ガール・マーチ)
8.純純「桃花泣血記」(桃色の女の子)
9.江添壽「大稻埕行進曲」
10.靜韻「江上夜月」(河の夜月)
11.陳寶貴「君薄情」(薄情な君)
12.純純「望春風」
13.純純「雨夜花」
14.純純「月夜愁」
15.純純「蓬萊花鼓」(蓬萊音頭)
16.純純「摘茶花鼓」(茶摘み音頭)
17.純純「觀花花鼓」(月見音頭)
18.純純「我愛你」(あなたを愛す)
19.純純「你害我」(あなたは私を悲しませる)
20.芬芬「美麗島」
21.鶯鶯「日日春」(毎日が春)
22.根根「白牡丹」
23.清香「英台賞花」(英台が花を愛でる)

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