台湾出身のプロデューサー Sonia Calico のシングル曲「Neo Tokyo Folk」の最新MVが公開された。今回、Sonia Calicoは共同制作者である Dustin Ngo を通じて、ベトナム出身のメディアアーティスト Nhat Nguyen とのコラボを実現。制作チームは7ヶ月もの制作期間を経て、フューチャリズムやサイバーパンク、ディストピアの概念を視覚的に表現することに成功している。
「Neo Tokyo Folk」のMVでは Nhat は様々な技術を用いて、実写映像と仮想現実を見事に融合させている。また、ダンサーである Joan Nguyen が装着している3DCGの被り物は、日本の伝統的な「編笠」とVRヘッドセットを組み合わせたデザインとなっており、そこに彼女の力強い踊りが加わることで、「バーチャル女神」が憑依した阿波踊りが表現されている。
「初めてこの曲を聴いて、Sonia からこの曲の背景について聞かされた時、僕は強いインスピレーションを受けたよ!これはおそらく僕がこれまで作ったものの中で一番ワクワクする作品だと思うよ」続けて、Nhat は作品についてこう述べた「曲のメロディーはまるで女神が作中人物に語りかける言葉のようだ。きっと女神が彼女を自分の世界に連れて行こうとしているんだ。それは人類の思想が『バーチャルリアリティ』によって強権的に支配されたディストピア世界なんだよ」
「Neo Tokyo Folk」は Sonia が2020年にリリースしたファーストアルバム『Simulation of an Overloaded World』に収録されている楽曲で、彼女が2019年に参加した日本の伝統的な祭りの阿波踊りからインスピレーションを受けた作品だ。
Sonia はこう語る、「阿波踊りの音楽には本当に魅了された。私が個人的に大好きな太鼓や三味線以外にも、 踊り子や演奏者が発する声がすごく面白くて、あとでネットで調べてみたらそれは伝統的な歌や踊りでよく用いられる『掛け声』というものだと知ったの」
Sonia はこれらの音を楽曲に使用した。伝統音楽と現代の電子音楽の融合を得意とする Sonia には、「未来世界の阿波踊りの祭りというものをどのようにすれば、みんなが楽しんでくれるだろうか?」という考えがあったという。かつての信心深い習慣や風習も時の流れとともに変わっていくかもしれないが、何か強い力に頼ろうとする人の心の働きは変わることはないだろうと Soniaは主張する。
Sonia Calico は2020年にリリースしたファーストアルバム『Simulation Of An Overloaded World』から今年リミックスシングルを発表しており、Neo Tokyo Folk (Ahadadream & Sam Interface Remix) はロンドンのMore Time Records を主宰する2人によってリミックスされたことで、afro beats的な雰囲気の力強いビートのミックスとなっており、MVと同時にリリースされた。